逆サラ30代 透析ライフ

既婚、子持ち、30代、腎臓病、腎不全、透析、腎移植、闘病からの目指せハッピーライフ日記!!

腎不全

「ご家族は一緒にいらっしゃいますか?」

そう言われると、すっと横に車椅子を用意された。

あの風景はこれからも一生忘れないだろうな。

初めての健康診断は26歳の時。

アラサーという言葉に自覚も不安も何もなかったが、そろそろ受けてみてもいいのではという上司の提案に乗ってみた。

まあ、なんもないっしょ!的なノリで受けた診断結果は「F」

Fって何!?的なノリで笑いながら上司に報告。自覚症状は全くなく元気ピンピンな自分にその診断結果はただの紙切れにしか見えてなかった。

その紙切れには「要2次検査」と書いてあるだけで原因は解明されなかったので念のためその紙を持って近くの内科クリニックに行ってみた。するとそこの先生曰く、尿蛋白が出ているとのこと、数値で見ると「+2」なんのこっちゃ?って感じだったが良くはない雰囲気は感じた。ただ、その先生は大した検査はせず、「疲れていると尿にタンパクが混じる事がある。血圧もちょっと高めだが様子見で大丈夫でしょう。また何かあったら来てください。」そう言われ、特に具体策もなく若いから大丈夫という、素人でも言えそうなまるで占い師のような診断だった。

 若干の「?」を抱えながら特に疑いもなくその年の僕の健康診断は終わった。

次の年。

健康診断結果「D」

おっ!去年より良くなってる!!的なノリで笑いながら周りに報告。

もちろんその紙切れにはまた「要2次検査」と。

今度は前回の占い師を変えて違うクリニックへ。そしたらこう言われた。「疲れていると尿にタンパクが混じる事がある。血圧もちょっと高めだが様子見で大丈夫でしょう。また何かあったら来てください。」デジャブ!!!

何かあるから来てんだろーが!と思ったが。。同じ占い結果に嫌気がさした。

そこのクリニックにというよりかは、健康診断への疑いが強くなった。

自分でも、仕事のストレスと疲れが原因だろうなとは思っていたのであまり自分の身体を疑う事はなかった。風邪を引きやすいわけでもないし、仕事も休んだ事がない。残業手当?有給?そんな小さい事を気にする暇があれば仕事してたのが現状。

 

自覚症状はもちろんなくまさか自分が身体を壊すなんて微塵も想像していなかった。 

少し高血圧と言われても、その単語は40代くらいになって心配すればいいと思って華麗にスルーをしていた。

 

僕の誕生日は7月。ひょろっとした見た目に反して意外と夏男なのだ。

この年のビッグイベントは2つ。

・転職

・娘、誕生

そもそも、前述の通り転職のきっかけは家族が出来たから。大事にしていた「仕事」を「家族」にチェンジして色々とリセットとリスタートの年だった。

今でも、出産を最初から最後まで立ち会えた事を幸せに思ってる。

出産後も、嫁と娘の退院まで毎日病院に行けた。なんせ、ちょうど転職の中休みだったんで。 なかなかそういうパパはいないんじゃないかな?絶対、ニートのパパ?って看護婦さん達に心配されてたと思う。笑

 

そこから、里帰りというか、僕も含めて嫁の実家に居候。義父さまと義母さまにはもう頭が上がらないくらいお世話になって、今でも下がった状態で感謝しっぱなし。ただ、みんなの笑顔の中心には小顔で大きい態度の娘がいるのがとても幸せな気持ちになる。

 

おっと、このままいくと娘の惚気ブログになってしまうのであしからず。

 

なんの話だっけ?

。。そうそう、健康診断があてにならないって話!

でも、結局あてにしなかったのは自分の責任。あの時にしっかりあの紙切れと向き合って病院選びをしっかりしていれば今頃このベッドにはいなかったのかなと。まあでも基本的にたらればを嫌うポジティブ人間なんで、それはしゃーないと思ってる。

大事なのは今と向き合う事。これからどうしていくかを考える事。しつこいけど今、そうやって腐らずハッキリしてられるのは間違いなく周りの家族の支えがあるからです。ありがとう。

 

今年、行われた健康診断は今までよりかなり簡易的な診断だった。

ただ、何が違ったか。それは自覚症状。

 今まではたまーにだった、頭痛が3〜4日のペースで頻繁に起こるようになって、常にちょっと体が重い感じ、健康診断時に測った血圧は150/101とかで3回くらい計り直された。診断の先生にも貧血気味と言われ、頭痛の原因まではわからないと言われた。健康診断で初めて不安な気持ちに駆られた。

その日の出来事を、嫁と義親に話したらすぐに診てもらいなさい!となり、近くのクリニックに出頭。

そのクリニックの先生に同じように話したが、「高血圧だね」とだけ言われなんの診断もされず降圧剤(アムロジピン?)だけの処方箋で終了。原因も改善方法も見出せず、不信感しか生まれなかった。もうここまで来るとクリニック恐怖症という言葉を作らざるを得ない。

 そんな事をグチグチ言ってても頭痛はもちろん治らず、吐き気も伴う様に。しかも気付いたらなんか足もむくんできてすごく嫌な感じ。。

素人の感覚でネットサーフィンしてるとくも膜下出血とか脳卒中とかが心配になってきて脳神経外科MRIをとってもらう事に。診断は異常ナシ。それはそれで一安心。

 すると、はじめてここで一つの仮定が確信に変わってきた。「腎臓が悪いんじゃないか?」義母に言われ、またまたネットサーフィン。高血圧、貧血、足のむくみ、頭痛、吐き気、だるさ。これらの症状は腎臓が悪い人に表れるとの事。全てのネットワークが繋がった感じ。

降圧剤を飲み始めてからすごく足がむくむようになってお風呂に入っても収まらず足の甲と足首が象のようにパンパンに膨らんでいた。

 

もう無理!ってなって、家の近くに腎臓病に強い病院があると嗅ぎつけそこに駆け込み血液検査。

そこの内科の先生は症状を聞くなり、血液検査とエコーで精密検査をし、1時間後に検査結果が出るのでそこから診察するとの事だった。ジブリに出てきそうな口髭をつけた白髪混じりで丸眼鏡の先生はクラシカルな雰囲気にPONYのローテクスニーカーを履きこなしていて好感が持てる。サバサバしてたが、すごく具体的で安心した。これでやっと原因が分かるとなり、なんなら少し楽しみで待ってた。

 

1時間後。。診察室のドアが開き。

 

「ご家族は一緒にいらっしゃいますか?」
そう言われると、すっと横に車椅子を用意された。

 

何事!?って恐る恐る入ると。

そのジブリ先生の重めかしい表情からの開口一番は、

 

「腎不全ですね」

 

、、、

、、、、

不全?

 

腎不全という言葉ではピンと来ず。

不全という言葉から意味を瞬時に辿ってみた。不全ってことは完全ではないってこと?腎臓が悪いってこと?

 

馬鹿に付ける薬はないというのはこういう事なんだろう。良く言えば知らぬが仏。

そのジブリ先生の説明を聞いていくうちに事の重大さと胸の鼓動を強く感じていた。

「ここでは診れないから他の病院を紹介する。ご家族には早く報告を。」と言われ用意された車椅子でベッドまで連れていかれ横になるように指示。

いきなり健常者から障害者扱いされ、逆にニヤケるしかなかった。

 

LINEで嫁にとにかく病院に来てくれと伝え、僕のiPhoneのバッテリーは切れてしまった。

検査の待ち時間にyoutubeを観過ぎたせいだ。

 

病院に充電器はないとのこと、

別に僕は何の信仰もない無宗教主義者。ただそこで自然に出てくる言葉は

 

「Oh my god !!」

 

こんな時にデジタルデトックスの必要は一切ないのに。。